二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
「ダグラス・ジョンソン・マクブライト」
あまりの情報量の多さに、乃亜はそれこそ自分が心臓発作を起こすのではないかと思った。だって、そんな。
「親父? 心臓発作? 入院中?」
乃亜は畳み掛けるようにそう繰り返した。
「あなたは……ウィリアムさんの息子なんですか? 彼は心臓発作を起こしたの? だから病院にいて、会えないのですか?」
灰色の瞳は疑わしげに乃亜を見つめている。
そして矢継ぎ早な乃亜の三つの質問にそっけなく答えた。
「イエス、イエス……そしてイエスだ」
ああ……。
なんていう展開だろう。
もちろんウィリアム・マクブライトが高齢なのはわかっていた。なんと言っても曽祖母よりもさらに数年年上だったのだ。すでに百歳近いはずで、生きているだけでも万々歳な長寿である。それは曽祖母も同じ。
乃亜ががっくりと肩を落としている横で、男はさっきよりも少しリラックスした姿勢をとった。
視線だけは乃亜をとらえたまま離さない。
仕方なく、乃亜もそろりと彼に視線を向けた。
(そんな……。つまりこのひとは……)
もしこんな状況でなかったら、彼のような男性にじっと見つめられるのは、悪い気分ではなかっただろう。むしろ、ときめいたはずだ。
でも乃亜にはときめいてはいけない理由がいくつかある。
(ウィリアムの息子……なんだ。子供がいたのね)