二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
色々な意味でショックを受けつつ、乃亜は目の前の男性を見つめ返した。頬が火照ってしまうのは、おそらくコロラドの太陽のせいだけではない。
彼はそのくらいハンサムだった。ただ単に整った顔というより、その奥から溢れる男性らしさがすべてを圧倒するような……。
「それで?」
ぶっきらぼうな低い声が乃亜の思考をさえぎる。
「それで、って……」
「親父には会わせられない。俺でさえまだ決まった時間以外は面会謝絶の状態だ。このまま……意識の戻らない可能性もある。彼に会うのだけが目的なら、大人しく日本に帰ったほうがいい」
「日本に帰る……」
乃亜はボンネットが開いたままの惨めなレンタカーに懐疑の目を向けた。帰れるものなら帰りたいが、これでどうしろというのだ。
「それは……できません。まず車が動かないのと……どうしても、ウィリアムさんに届けなくちゃいけないものがあるんです」
「俺が渡しておくよ。親父が目を覚ましてくれたらの話だが」
「それじゃ駄目なんです」
「なぜ」
「どうしても」
乃亜は口論が好きではない。
それにできれば、出会ったばかりの長身美形に楯突くような真似はしたくなかったし、もしかしたら──もしかしたらだけど──血縁関係にあるかもしれない彼に、悪い印象は持たれたくなかった。
乃亜は役立たずなレンタカーの助手席の扉を開けて、座席にあるバッグから一枚の封筒を取り出した。
百聞は一見にしかず。多分。
「これをウィリアム・マクブライトさんに渡さなくちゃいけないんです。直接、わたしの顔を彼に見せて手渡しなさいと言われています」