二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
笑顔ではないが、少なくとも馬鹿にしたりするような表情ではなかったのに安堵して、乃亜は薄く微笑む。
「わかっちゃいますか?」
「なんとなくね。そのホテルとやらはすでに予約してあるのか?」
「コロラド・スプリングに予約しています。でも遠すぎるのでキャンセルしようかと思って。どこか……ここから歩いていける距離におすすめのモーテルはありますか?」
すると、どこかから牛がモーと鳴いているのが聞こえた。
多分、二、三日歩けばどこか見つかるかもしれない……。地平線の果ての、さらに先あたりに。
「ないな」
カウボーイからの答えは非情だった。
……そうでしょうとも。
「ただ、うちの牧場はいくつかコテージを貸している。今は満室だが、来週になれば空きが出るかもしれない」
「でも、今夜は……」
「従業員用のキャビンなら使ってもいい。あまり綺麗なものじゃないが」
ええ!
牧場って、すごい! キャビンにコテージ!
「君の名前は?」
「乃亜です。ノア・ヒロセ」
乃亜は外国人にも発音しやすい自分の名前に感謝した。
よく考えたら乃亜の名付け親は曽祖母であるのだけれど……これも偶然だろうか?
「あなたは?」
「ダグラス」彼はゆっくりと答えた。「ダグラス・ジョンソン・マクブライト」