二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
もしかしたら血が繋がっているかもしれない相手に、こんなことを言わなくてはならないのは胸の奥がチクリと痛んだが、金目当ての女扱いをされて黙っているわけにはいかない。
ゴールド・ディガー。
お金目当て。
女性に対してかなり失礼な暴言だ。
乃亜は、ダグラスがもっと畳み掛けてくる覚悟をしたが、それはなかった。それどころか彼は一瞬だけふいと横を向くと、乃亜に視線を戻してささやいた。
「悪かった。今のは忘れてくれ」
う……ん?
「いえ、大丈夫です……。わたし、本当に手紙を渡すこと以外に目的はないですから。それを信じてください」
「わかったよ。とりあえず中に入ってくれ」
「はい」
正直、長旅で疲れ切っていた乃亜は、ダグラスの申し出をありがたく受けた。
たとえ自分の発案でここにきたのではなくても、曽祖母の説明を聞いてその懇願を受け入れた時点で、乃亜にだって責任は発生する。
ダグラスにとって乃亜があまりありがたくない存在なのは、自然の理だし……。
(というか……知っているのかな)
ウィリアムと曽祖母の間に子供があったこと。
これからどうなるのだろう。キャビンだろうとコテージだろうと、馬の隣に野宿することになろうと、この牧場に滞在するならきっと何度も顔を合わせるはずだ。
乃亜はどんな顔で、どんなふうにダグラスに接するべきなのだろう……。