二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
ダグラスにうながされて玄関をくぐると、そこは落ち着いた内装の、外観の優雅さに劣らない美しい室内があった。
「荷物はここに置くから」
素っ気なくそう言って、ダグラスは乃亜の荷物を玄関裏に運び込んでくれる。
「ありがとうございます。素敵なお家ですね」
と、思わず口走ってしまってから、乃亜は慌てて付け加えた。
「──って、別にこのお家の乗っ取りを狙ってるとか、そういうわけじゃないですよ! ただの感想ですから! すみません!」
すでにリビングの奥にある大きなキッチンに向かっていたダグラスは、肩越しに乃亜を振り返って、ふっと笑うような声を漏らした。
「そこまで警戒はしてないよ」
「まったくしなくて大丈夫です」
「とりあえず、そういうことにしておこうか」
むむ……。
だいぶ態度を軟化してくれたとはいえ、完全に信頼されているわけではない……のだろう。
とはいえ、助けてくれたのはありがたかった。レンタカー会社に連絡してもいつ代車がくるかわからないし、もし時間が掛かって日が暮れてしまったりしたら、あの一本道は真の闇に包まれてしまうはずだ。
もしかしたら、茂みに隠れた凶悪なクロコダイルに攻撃されたり……。
乃亜を餌とみなした空腹の大鷲が、空から急降下で襲ってきたり……。
「コーヒー? 紅茶?」
悶々と不穏な想像をしていたところを、ダグラスの声で現実に引き戻される。
「え……。あ、ありがとうございます。じゃあ、コーヒーを」
ダグラスは小さくうなずくとキッチンに向かった。