二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
『キイィィィ! アァァァァッ!!』
背筋の凍るような悲鳴はさらに続いて、夜の空気を震わせている。
乃亜が最初に考えたのは隠れることだった。もしこのキャビンの外で無慈悲な殺人が行われているのだとしたら、乃亜のような丸腰の日本人にできることは少ない。
せめて……。
せめて、ふたり目の犠牲者にならないように……。
『キェェェェェ!!! キャア! キャア!!』
──でも駄目だ。物事には限界というものがある。おそらく女性のものだと思える悲鳴はいつまでも終わらず、毛布を頭まで被ってベッドの上で震える乃亜の骨の髄にまで被害者の恐怖が届いた。
「だ、だれか……」
最初に頭に浮かんだのはもちろんダグラスだった。
なんといっても彼はこの土地の所有者だし、軍隊経験者でもあるらしいし、土地柄的におそらく猟銃の一本や二本は所持しているだろう。
乃亜は暗闇の中で震える手を伸ばして、スマホをたぐり寄せようとした。
『キィィィィエエエエーー!!』