二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
「君にできることはないと思うよ」
次の日の朝。
乃亜が目を覚ますと、太陽はすでに空高く昇っているようだった。ヘッドボードの上の馬の写真に見守られながら身体を起こすと、ズキンとおでこの辺りに鈍痛が走る。
(いた……っ、て、当たり前か……)
カーテンの隙間から強い日差しが差し込んでいる。
どのくらい眠っていたんだろう……。乃亜は昨晩、フクロウの鳴き声を殺人現場と勘違いする醜態を演じてから、再び気絶するような深い眠りに落ちていた。
助けてくれた……というか、とりあえず現場に現れてあの悲鳴の正体を教えてくれたダグラスは、乃亜をキャビンの玄関まで送り、中に入るのを見届けると無言でいなくなってしまった。
(とにかく今日からここで生活させてもらうことになるのよね。なにもせずに無駄飯食いになるわけにはいかないから……なにか手伝わないと)
まあ、ご飯が提供されるとは思わないけれど、このキャビンにだってそれなりの価値はあるのだし、電気代や水道代だってかかる。牧場というからには仕事は山ほどあるはずだ。ホセのような従業員だっている。
フラフラと浴室に向かって、そこで洗面台の鏡を覗き込んだ。
おでこに三日月型の真っ青なあざができていた。
うう……。
乃亜は普段は横に流している前髪の一部であざをできるだけ隠してみた。