二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~

 乃亜は己の姿を見下ろした。
 動きやすいようなスポーツ用レギンズとシンプルな白い半袖シャツ。足元は運動靴である。
 レギンズなのはダンスをしていた乃亜が一番動きやすいと感じるボトムスだからで、半袖シャツは……まあ、夏だからだ。そして動くなら運動靴。
 特にとがめられるような恰好ではないはず。

 乃亜はそれを淡々と説明した。

「他に服は持ってきていないのか?」
 あ、マイルドに無視されてる感じ?
「あまり数は持ってきていなくて……。元々、ウィリアムさんに会って手紙を渡したら、少し観光して帰るつもりだったんです。これの他はワンピースとか」

 言いながら、乃亜はダグラスの恰好をあらためて確認する。
 シャツの布はしっかりとした厚手で、長袖のカフスまでしっかり留められている。下はもちろんジーンズだ。今時のファッションにありがちなわざと開けた穴などは一切ない、最もシンプルなかっちりしたジーンズ。
 足元は踏まれたらかなり痛そうな革靴で、文字通りしっかり固められている。

「その服装、暑くないんですか? そもそもどうして皆さんその恰好なの?」
「この季節じゃどんな服を着ていても結局暑いだろう。だったら自分の身を守った方がいい。どうしてこの恰好をしているかについては……日が暮れる頃にはわかるよ。もし本当にここで働くつもりなら」

 乃亜はぱちぱちと目を瞬いた。

「戻りたかったら戻った方がいい。君にこの牧場のことはわからないよ」
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