二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
「あ……」
乃亜は片手でそっとつばの先端を触ってみた。麦わら帽子のような柔らかい触感を想像したのに、もう少し硬くてずっしりした重みがある。
「ありがとう……ございます」
ダグラスの返事は、無言でうなずくというものだった。逆にチャンピオンの方がなにか言いたげにフンフンと鼻を鳴らしている。
乃亜はじっとダグラスを見つめて、彼がなんらかの指標を示してくれるのを待った。
……だって馬に乗っていいなんて言われても、どうしていいのか想像もつかない。
しばらく経って、乃亜が凝視してくる意味をダグラスは理解したらしかった。ふぅっと深いため息をつくと、乃亜に向かって手を伸ばしてきた。
「掴まってくれ」
「え」
どこを?
……と問う間もなく、ダグラスの腕が乃亜の腰に回される。
ふわりと軽く身体が浮いたと思うと、乃亜はチャンピオンの胴に横付けされるような格好になっていて、慌てて足を延ばした。たとえ乗馬ははじめてでも、乃亜はバランス第一のバレエをずっとやってきた経験がある。
本能とダグラスのリードに導かれるまま鞍を跨ぐと、すとんとチャンピオンの背に乗ることができた。
「わっ、できた……」
「そこの突起を掴んで、少し腰を浮かしてくれ」
「ええっ」