二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~

 ダグラスはまたため息を吐くとサングラスを外して胸の前に掛けた。現れた灰色の瞳に、乃亜はあらためて見惚れてしまう。
 なんだか不必要なくらいじっと見つめられている気がして……余計に。
 すると急にダグラスの手が伸びてきて、乃亜が被っていたカウボーイハットを持ち上げた。

「……これは誰にやられた?」
「え」
「昨日は気づかなかった。いったいいつ、ついた傷なんだ?」

 ダグラスは片方の手で乃亜が被っていたカウボーイハットを取り、別の手で彼女の前髪をたくし上げた。当然、ふたりの距離は縮まり、乃亜はダグラスを見上げる格好になる。
 傷……?
 ああ、昨夜フライパンでついたあざのことだろうか。

 説明しようと思えばすぐに説明できたはずなのに、ダグラスのような長身美形のカウボーイに前髪とおでこを触られている緊張……というか、ときめきは、乃亜の舌を混乱させた。
 それでなくても外国語でものを順序だてて説明するというのは難しいのだ。

「えっと……フライパンにぶつけて……」
「フライパン? 誰かがフライパンで君を殴ったのか?」

 どういう……展開? 論理の飛躍?
< 70 / 287 >

この作品をシェア

pagetop