二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
誰かが君を、看ているべきだった……。
そんなふうに言ってもらえることに、乃亜の中のなにかが喜んでいる。どうしてだろう? どんな理由であれ、誰かが自分を心配してくれるのはありがたいことだ。でもそれだけじゃない……。
「つ……次はそうします……」
とりあえず乃亜はつぶやいた。
「そうしてくれ。もちろん、そんな必要はないことを願うが」
ダグラスは静かに……ともすれば陰気な声でそう答えて、再度、乃亜の前髪に触れて三日月型のあざを確認した。
──ちょっと待って。もしかしてカウボーイってひととの距離感がバグってる? それとも乃亜はひととか、女性とか、そういうふうには思われていない? ここの馬と一緒?
「アイスパックを持ってこようか?」
「いえ……。ありがとうございます。でも、今さらだし……大丈夫です」
ダグラスは納得していない顔をしていたが、それでも一応うなずいてくれた。「もし痛んだり吐き気がしたりしたら言ってくれ」
乃亜はなんとか「はい」とだけ同意し、高鳴りすぎる鼓動を抑えるために一歩後ろに下がった。
正直、少し距離ができたことでダグラスの全貌が見えてしまい、かえって緊張したけれど。
──しっかりしなさい、乃亜! 今あなたには、この厩舎の床を掃くという重要な仕事があるのよ! 灰色の瞳のカウボーイに見惚れている場合ではないの!
使命感をみなぎらせた乃亜は、鍬をしっかり構えると与えられた仕事に邁進することにした。
ざっ、ざっ、ざざっ。