二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
鍬の先端が、ざらついた音を立てて散らばった干し草を集めていく。
そんな乃亜の行為に感謝の目っぽいものを向けてくる穏やかな馬もいれば、胡散臭そうに新入り掃除係を鼻で笑っている馬もいる。中にはカカカッという音を歯で鳴らして、威嚇してくる馬もいた。
ダグラスはしばらくそんな乃亜を見つめていたが、やがていつもの深いため息を吐くと頭を振って、彼自身の仕事に向かった。
(カウボーイってなにをするんだろう……)
そんな好奇心が頭をもたげて、地面を掃きながらついついダグラスの方を盗み見てしまう。
彼はさっきまで不躾なくらい堂々と乃亜を見ていたので、乃亜だってこんなにコソコソする必要はないのだろう。でもなぜか、禁断を覗いているような気分になってしまって、上目遣いにこっそりと彼の様子をうかがった。
ダグラスは乃亜のように鍬を持ったりはしなかった。
代わりに、鍬が並べられていた壁にフックで掛かっていた、長い革のズボンのようなものを手に取る。ダグラスは慣れた手つきでそれを履いた。
(…………?)
薄い茶色の革製の長ズボンのようなものは、よく見ると上部が太ももの付け根辺りまでしかない。
なんというか……比べるものがないので表現が難しいが……作業着の一種だというのはわかるけれど……。
端的に言って布が足りなかった。
その……明らかにズボンなのに、男性の大事な部分だけ布がないのだ。ダグラスはそれをジーンズの上に履いている。後ろを向くと、お尻の部分も前と同じく布が足りない……。
乃亜は鍬を手から落としそうになった。