二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
「ミスター・マクブライト……!」
ダグラスは顔を上げて、その(大事なところに)布の足りない革製の作業着ズボンを履いたまま乃亜のところに戻ってくる。
「なにか?」
「そ、そ……それは……どうして……」
単語が思いつかなかったから、乃亜は言い濁りながらダグラスの作業着(の布が足りない部分)に目を向けて声を震わせた。
ダグラスはスタスタと乃亜の前を通り過ぎる。
下にはジーンズを履いたままなので、別に大騒ぎするような恰好ではないはずだ。重要な表現:『はず』。現実はそれでなくても男らしいダグラスをさらに色っぽく見せていて……。
「なにが、『どうして』?」
「その……ズボンは……なんですか……?」
平静を装うつもりだったのに、乃亜は自分でもわかるくらい真っ赤になって、鍬の柄をまるで命綱のようにきつく握ってしまっていた。
ダグラスは彼自身のズボンに視線を落とした。そしておそらく乃亜の狼狽の理由を理解した。
「チャップス」
「へ?」
「これの名前だ。チャップス」
「そ……それは意外と……可愛らしい名前で……」
ついに直視できなくなった乃亜が地面の干し草を掃く作業を再開させようとすると、ダグラスは足を止めて振り返った。
そして胸の前で腕を組む。
──ちょっと、その体勢は! 刺激が! ツヨスギマス!!