二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
「ノア……」
頭上からダグラスの声が乃亜を呼んだ。
甘い、優しいと言ってもいいような静かな声色。こんな素敵な男性なのに、乃亜に対しては冷たい。悔しい。苦しい……。
「悪かった。言うべきじゃないことを言った。すまない。泣かないでくれ」
「う……ぅ……っ」
「悪かった……。ノア、本当にすまなかった」
ダグラスは何度も謝罪を口にしたけれど、許してくれとか、立ってくれとか、乃亜になにがしかを期待するようなことはほとんど言わなかった。ただ謝ってくれる。
それは少し……心地よかった。
どのくらい時間が経ったかわからないけれど、とにかく泣けるだけ泣きつくした乃亜はゆっくり顔を上げた。
まだ干し草を肩から被ったままのダグラスが、心配げに乃亜を見つめている。
「わ……わたしのことをどう思っても……構いません。でもおばあちゃんのことは……悪く言わないで」
朝、必要最低限しか化粧していなかった乃亜の顔はきっとぐちゃぐちゃだろう。マスカラをしていなくて逆によかったかもしれない。
「わかった。わかったよ、本当にすまない」
「い……いいんです……。あなたが、わたしを迷惑だと思う理由は……わかりますから……。でも、言っていいことと悪いことが……」
「その通りだ。君が百パーセント正しい」