二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~

 本物の美形カウボーイが目の前で腹を抱えて笑う姿を前に、乃亜は怒っていいのか、見惚れていいのかわからなくなって、つい楽な方を選んでしまった。
 つまり……ぼうっと呆けながら見惚れる、という方を。

「ははっ、くそ…………こんな」
 ダグラスは時々そんなふうにブツブツとつぶやきながら、たっぷり数分は笑い続けた。

 身体の大きな彼が発する低音の笑い声は、空気を心地よく震わせる。
 その上、彼は例のチャップスを履いていたので、地面に足を折って座っている間も、男性の大事なところが妙になまめかしく目立った。

「……もう。そんなに笑わなくても」
「そうだな、悪かった」

 やっと笑うのをやめたダグラスは、いつもの厳しい表情に戻ろうとした……のだと思う。でもあまり成功していなくて、まだ目元は優しく微笑んだままだ。

 ──もし自分が、春子のひ孫じゃなくて。
 ただの男女として出会っていたら、彼はどんなふうに乃亜を扱っただろう? もしかしたらずっとこんなふうに優しくしてくれたのだろうか?

 そもそも、このひとはどんなふうに女性と付き合うの?

 乃亜の贔屓目かもしれないけれど、ちょっと動悸がするくらい(外見は)素敵なひとだし、年齢だっておそらくまだ三十代だ。あの邸宅はウィリアムとふたり暮らしだったらしいけれど、一緒に暮らしていない恋人がいる可能性はある……むしろ、いない方がおかしい……わけで。
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