二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
しばらくするとダグラスが厩舎の裏口から出てきた。
すでに例のチャップスは脱いでおり、あの黒い馬もいない。彼ひとりだ。帽子は被っているけれど、いつものアビエーター・サングラスはしておらず、太陽に目を細めている。
「ノア!」
ダグラスは遠くから叫んだ。
「は……はい!」
乃亜も思わず叫び返す。
「無事か?」
「はい……っ!」
なんの……点呼? 点検? 確認?
そんな距離の離れたやり取りがあって、やがてダグラスは乃亜の目の前まで辿り着いた。
なんだかんだ言っても彼が紳士なのは覚えたので、立ち上がるために手を差し伸べてくれるのかと思ったのに、ダグラスがしたのは乃亜の前に片膝をついて、乃亜と視線の高さを合わせることだった。
「どうしてこんなところにいたんだ?」
なんだかもう、彼は完全に呆れている。
おそらくダグラスにとって乃亜は未知の生物なのだ。どう扱っていいかわからなくて、とりあえず生態系を調べたいという感じの顔だった。