二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
「食べ終わったら出かける用意をしてくれ」
「は、はい……っ。あ、でもお皿洗いはわたしがします」
「そこに食洗機がある。少しゆすいで入れておいてくれればいいから」
システムキッチンに鎮座ましますのは、巨大にして強力そうな某ドイツ製食洗機だった。ありがたすぎて聖ディッシュ・ウォッシャー様と名付けたいくらいの。
「大きいですね」
ウィリアムさんとふたりきりでは、大きすぎませんか……と思わず口を滑らせそうになる。いけない。そもそもここはアメリカで、スペースはいくらでもあって、家電も車も無駄に大きいのはデフォルトだ。
「いつもはここで従業員を食わせるんだ」
「ええ、すごい。本当ですか?」
「早めの夕食をね。既婚者は家に帰るから独り身の男ばかりだが……大抵、俺も入れて四、五人。調理係は交代制だ。もしそれも手伝ってもらえるなら、君も順番に組み込ませてもらう」
「もちろんです! というか、今晩からやらせてください」
乃亜は果然、やる気をみなぎらせた。
働く意欲が前のめりすぎて怪しまれるかもしれないけれど、キッチンを任せてもらえるというのは、なんだか信頼の証な気がして嬉しくなる。
それに乃亜は料理が好きだ。
コロラドの地で飢えたカウボーイ達の腹を満たすという役目は、とても魅力的に思えた。もう食材選びからこの素敵なキッチンをどう使うかまで、バーッと想像が沸いてしまう。
「じゃあ、行きましょう!」
急に意欲満々な乃亜を眺めながら、ダグラスはまた小さなため息を吐いた。