二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
「あと一時間くらいならなんとかなるよ」
「ほ、本当に?」
「ああ。どこか見てみたい場所は?」
「そうですね……。もちろん温泉も行ってみたいですけど、一時間だと短すぎるので、サンフアン川を見てみたいかな。皆さん綺麗だって言うし、水辺が好きなんです」
乃亜はスマホを取り出すと画像を検索して、どの辺りを見てみたいかをダグラスに見せた。ホテルや温泉に囲まれた水脈を、観光客がカヤックに乗ってはしゃいでいる写真がいくつか映っている。
ダグラスはそれをフンと鼻で笑った。
「そんなっ」
「こんな誰が放尿しているかわからない観光客だらけの場所より、ずっと綺麗で静かな水辺がいくらでもある」
「それは、あなたは地元民ですから、もちろんご存じでしょうけど」
乃亜は唇を尖らせて、鼻で笑われたことに抗議の意を示した。
でも、ちょっと羨ましいとも思った。
この美しい土地の秘密を知っている彼を。
ダグラスは一歩退くと、拳を顎に当てながら乃亜の全身をしげしげと見つめていた。
「その恰好なら、岩場よりも歩きやすい場所の方がいいだろうな……。おいで、そんなに遠くないから」