御堂先生は溺愛中
「先生には大変申し訳ないんですけど、私今御堂先生のことが好きってなってて…。」
結奈がおずおずと話し出すと、御堂は「え?」と素っ頓狂な声を上げた。
「それは、どういうこと…?」
「えっと〜…それには深い訳があって、そこはまだ言えないんですけど、私のせいでややこしいことになっちゃっててごめんなさい…。」
結奈は、凛が本当は御堂のことを好きなんじゃないかという疑いを、まさか御堂本人に伝えることが憚られて、そう濁して答えた。
「それで、本当に申し訳ないんですけど、先生は今日私を振ったことにしてくれませんか???」
突然の提案に、御堂は少し間を空けて口を開いた。
「…うん、わかった。」
笑顔でそう返す御堂に、結奈は涙目になりながら「ありがとうございます〜!」と感謝した。
「先生、優しすぎます!…なんでこんな優しい先生に好きって言われて、凛は靡かないのかな。」
ぽつりと呟くように吐いた結奈の言葉に、御堂はクスリと笑った。
「…先生は、このままの関係でもいいんですか?凛と付き合いたいとか思わないんですか?」
そう言葉を選びながらずっと聞いてみたかったことを聞く結奈に、御堂は「そうだね。」と言って続けた。
「そういう今は靡かないところも含めて大野さんだし、そんな大野さんが俺は好きだから。」
床を見つめながら静かに笑う御堂に、結奈ははあ…と感嘆のため息を吐いた。
「…ますます凛が先生に靡かない理由が分からないです。」
そういってキラキラした目で御堂を見る結奈に、御堂は苦笑をした。