きっと、夏のこと


「ねえ、気になる先輩と話せてるの?」




周りに人がいないのを確認して静かに彼女に話しかける。




「まだなの、」

「そっか、でもまだ明日もあるし」

「うん、でもさ!夜のレクの後は恋バナでしょっ」

「そうなの?」

「当たり前よ、そこで三女の先輩達から先輩の話聞けたらな〜」

「がんばってね、本当に応援してる」

「そんなこと言っちゃって、好きな人まだできてないの?」




彼女の質問に、今なら答えられそうな気がした。


私の中の牧田さんへの気持ちなんか空っぽになってるって思った。



「じ、実はね?」

「え!なに!本当に出てくると思わなかった」

「いやもう、過去のことだから話せるってだけ」

「過去ってどういうことよ」

「高校の時、一緒にイベント行ったじゃん。」

「うん、」

「その時、同じ班にまっきーさんって人いたの知ってる?」

「うん、わかるよ。まさかなんかあったの?」

「いや、なんもないんだけどね、連絡先交換して、いろいろアドバイスもらってたの、だからまた会えるかなって思って、このサークル入ったんだ」

「そうだったのね、全然知らなかった」

「言ってないもん」

「あのイベントの時、私のグループにいた人がまっきーさんかっこいいって言ってたから知ってたよ」

「やっぱ後輩にモテそうだもんね」

「だけど、普段は結構面倒見良いタイプじゃないみたいよ?」

「そうなの?」

「うん。先輩たちがいってたもん。でもはたから見てて、すごい仲良さそうだったし、まっきーに気に入られてそうだった」

「え、本当?」

「これは本当。でも連絡先交換したなんて結構脈アリじゃない?」

「い、いやあ、、。もう最近は全く話してないし」

< 49 / 89 >

この作品をシェア

pagetop