きっと、夏のこと

「私、ヤスの気持ち全然わかんないの。何考えてるのかも、どういう気持ちなのかも。」


「そっか」







私が過去に彼女に言った


『ヤスはわかりやすいから、ヤスの音楽もわかりやすいから嫌い』


彼女はこの言葉に囚われていた。







彼女が理解できなかったヤスのこと。


私が理解できなかった牧田さんのこと。




きっと、おんなじ気持ちだ。


彼女が初めて明かしてくれた弱み、涙。


それをみて、私は初めて彼女に本当の気持ちを伝えられそうだった。


私も、泣きたかった。


だから、私も彼女に牧田さんのこと全部全部伝えるって決めた。

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