きっと、夏のこと
牧田さんは、私のことを見つけるのが苦手なこと。
私は牧田さんを見つけるのが得意なこと。
どこって探す牧田さんも、
困ったような顔をする牧田さんも、
私のことをみつけてあって顔をする牧田さんも、
私のとこに来る時にちょっと先輩な顔になる牧田さんも。
全部全部わかりやすいのに。
目の前にいる牧田さんのことなんてなんもわかんなかった。
彼女に牧田さんとの出会いとか思い出とか全部話していたら、私も自然と涙が出てきた。
ずっと、ずっと『好きじゃない』、『憧れ』、って言葉で誤魔化してきた、誤魔化さなきゃいけないって思ってた気持ちを、全部自分の『好き』に塗り替えた。
私が頑張ってたどってきた、牧田さんの優しいところ。
私のことを気にかけてくれるところ。
私にギターを教えてくれるところ。
あんまり後輩が得意じゃないところ。
私に本を貸してくれるところ。
すれ違ったら声をかけてくれるところ。
LINEがそっけないところ。
掴めない牧田さんの気持ちは、牧田さんがしてくれなかったことを考えたら一瞬で見えてきた。