きっと、夏のこと

「初めまして。よろしくね。」


「..よ、よろしくお願いします。」


精一杯の声は少しかすれた。明らかに緊張した様子の私に優しい笑顔を向けてくれた。


その人はまっきーとみんなに呼ばれていた。


たばこが混じるなか香水みたいな柔軟剤みたいな甘い匂いが鼻をかすめる。


ちょっとした安心感に、緊張がふと和らいだ。






開始の時間まで私たちのグループは他よりも静かだった。


「楽器やったことあるの?」


不器用なタイミングで話しかけてくれるまっきーは、Group1唯一の大学3年生だった。


他のメンバーは4年生だと教えてくれた。 少し大人びた雰囲気だった。




「えっと... ピアノならちょっと...」


「音楽、好きなの?」


「す、好きです。」


終始緊張する私には十分な優しさだった。

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