凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】

警戒は合っている?

「白木、なんか最近楽しそう」

それから三日後、カフェの従業員用の休憩室で突然仁くんがそう言った。

「え、そうかな?」

「うん、いつも眠そうなのは変わらないけど……」

「私っていつも眠そうなんだ」

「うん、でもそれも最近減ってきた気がする」

確かに最近は凪渡くんが「無理するな」とか「寝た方が良い」って甘やかすせいでバイト終わりにすぐに寝ることが多くなった。

それに凪渡くんがメイド長の川瀬さんに頼んで、私のお屋敷でのバイトを減らすように言ってくれたようで、お屋敷のバイト時間も減っていた。

凪渡くんはいつまで経っても、私を寝かしつけるのが好きなのは変わらないし。

「ほら私がもう一つバイトを始めたから、このバイトの量を減らすって店長に言ったのを覚えてる?」

「覚えてるけど」

「結局そっちのバイトがあんまり多くなくて、結果としてバイト量が減った感じかな」

「へー、良いことじゃん。てか、いつも店長の白木に楽しみすぎだし丁度良かっただろ」

仁くんはそう言いながらポケットから個包装のチョコを取り出し、ポンっと口に入れた。
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