凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】
そして、私と凪渡くんにパタパタと手を振って歩いていく。

「仁くん、いまなんて言ってたの?」

「うーん、莉帆ちゃんは知らなくて良いことなんじゃないかなー」

「何それ、余計に気になるんだけど!」

「知らなくて良いことだけど……ちょっと悔しいけど、仁くんって格好良い子だね」

凪渡くんがそんなことを言うのは初めて聞いた。

一体、仁くんは何を凪渡くんに言ったのだろう?






お姫様は気づかない、密かに想い続けていたバイト仲間の本心に。





そして自分が前に同じ質問をされていたことも。「楽しいか」と聞かれて、「ほどほど」と答えたことも。





口数の少ない彼だからこそ、そんな他愛の会話すら覚えてくれていたことも。





そして「楽しい」とはっきり答えたお姫様を見て、気持ちにケリがついたことも。





何を耳元で話したかも、お姫様は気づかない。









『白木、きっと貴方のことが大好きですよ。俺の分まで、守ってあげて下さい』


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