凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】

本当に可愛いから

それから時間は過ぎて、パーティー当日。

鏡には黒いドレスを(まと)った私が映っている。

髪は綺麗に結い上げられていて、自分が自分じゃないみたいとはまさにこのことだろう。

こんこん、と扉がノックされて凪渡くんの声が聞こえる。

「莉帆ちゃん、準備出来た?」

「うん、もう入っても大丈夫だよ」

扉が開いて見えた凪渡くんは、スーツが似合っていて、いつもとは違って前髪を上げている。

いつも王子様みたいな見た目だけど、今日はさらに磨きがかかっている。

凪渡くんがそのまま部屋に入ってきて、私の前で片膝をつく。








「美しいお姫様、俺にエスコートさせてくれますか?」







「何、格好つけてるの……!」






「あれ、こういうのは好みじゃない?」

「そういう問題じゃないでしょ」

「じゃあ、照れてるだけか。相変わらず、莉帆ちゃんはお子ちゃまですね」

「怒るよ」

「はいはい、からかうのはここまでね」

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