凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】
「凪渡はそれで良いのか?」



「俺は莉帆ちゃんに出会ってから、莉帆ちゃんの隣にいたいとしか願ったことはないよ。俺の幸せは莉帆ちゃんの隣にある」



「本当か?」



「うん、この決断を後悔しない」



凪渡くんのお父さんは深く一回ため息をついた。

そして、もう一度私に視線を向ける。






「好きにすれば良い。家を出るものに口出しする権利は私にはない。始めから分かっているだろう」





「それでも、伝えたかったんです」





「……そうか」






不器用なところは凪渡くんそっくりだと思ってしまった。

でも、だからこそ涙が溢れそうになる。

それでも、隣にいる凪渡くんが泣いていないなら私に泣く資格はない。

だから凪渡くんがそっと握ってくれた手を、私はギュッと握り返した。
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