凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】
「莉帆! 次、移動教室だよ! 早く行こ!」

パタパタと美琴ちゃんと廊下を走っていると、目も覚めてくる。

寝ていて火照った頬が少しずつ冷めてきて、先ほどまで私の頭に触れていた手の感触を思い出してしまう。





「もしかして……ううん、そんな訳ないよね」




だって、凪渡くんだったら私を起こしているだろうし。

そしてまた凪渡くんを思い出している自分に戸惑ってしまう。

考えないようにしても考えないことは出来なくて、まるで制御出来ない壊れたおもちゃが自分の体に入っているみたい。

そして、心のどこかでこのまま凪渡くんと向き合わないわけにはいかないことも分かっていた。


「うん、今日のバイトが終わったらもう一度あの公園に行こう」


私は五限目開始のチャイムが鳴ると同時にそう決意した。
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