凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】
「白木は今日何時上がり?」

「19時」

「じゃあ今日は白木の方が上がり早いな」

「そうだね。さっき店長にもうちょっといれるか聞かれたけど、今日は用事があるから断ったの」

仁くんがこちらに少しだけ視線を向けた気がした。

すぐに逸らされたから、本当にこちらに視線を向けていたかすら自信がないけれど。

でも、仁くんはこの後に用事があると言っても、「どんな用事?」とか「友達と会うの?」すら聞かないでいてくれる人。

それが私にはとても心地が良かった。

19時までのバイトはあまりにいつも通りで、目立ったトラブルがあるわけでもなく、いつもよりお客さんが少ないわけでもない。

まさにいつも通り。
< 29 / 134 >

この作品をシェア

pagetop