凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】
バイトが終わって着替えを済ませると、仁くんが「お疲れさま」とこちらに視線を向けないまま軽く告げる。

それすらもいつも通り。


違うのは、最近避けていたのあの公園に向かうこと。


そして、公園のベンチにまたは凪渡くんが座っていた。

私が来ない日が続いたとしても、いつだって待ってくれていたのだろうか。

「凪渡くん」

そう声をかければ、凪渡くんが顔を上げる。

いつも通りの綺麗な瞳が私を映すと、パッと表情が変わる。

「莉帆ちゃん、今日は来てくれたんだ」

「……ずっと待ってたの?」

「さぁ、どうだろうね」

突然私が今日来たのにいるということは、毎日待っていたに決まっている。

でも、凪渡くんは絶対にそれを言わない。

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