凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】
「美味しい……」

「良かった。明日はちゃんとお弁当を持ってくるから。今日は俺の残りのおにぎりでごめんね」

「これ、凪渡くんの分のおにぎりなの?」

つい凪渡くんの夕ご飯を奪ってしまったのかと心配になる。

「心配してくれてるの? 莉帆ちゃんは俺のことが大好きだね〜」

「そういうことじゃ……!」

凪渡くんは今までもこうやって心配されたら、誤魔化してきたのだろうか。

自分だってバイトしているくせに。

今だってバイト終わりの格好で、凪渡くんだって疲れているのが顔を見れば分かった。

顔はいつも通りキラキラでも、疲れているのを隠しきれていない。

だから誤魔化されるのって……やっぱりなんか悔しい。








「そうだよ、凪渡くんのことを心配してる。ばか」







私の性格って本当に可愛くない。

でも、凪渡くんは愛おしそうに笑う。








「……莉帆ちゃんのばかって可愛すぎるよね。ほんと、何なの」







それでも私が口をつけたおにぎりを返すことは出来ないので、私はおにぎりを頬張りながら、先ほどコンビニで買ってきたピザパンを凪渡くんに押し付ける。

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