凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】
凪渡くんのその言葉を信じるなら、凪渡くんは私のことが好きということで……。

でも、凪渡くんははっきり告白をしないし、いつもどこか(ふく)みのある笑みで全てを誤魔化す。

凪渡くんは家に認めてもらってから、私に告白したいのだろうか。

そんなどこか分からないままの凪渡くんの気持ちを利用して、私は夕ご飯代を浮かせている。

凪渡くんは自分を利用すれば良いと言ったけれど、私は私自身のズルさに嫌気が差す。






「凪渡くん、私のこと好き?」





「え?」





「私は凪渡くんの気持ちを利用して……」





私のそんな言葉を凪渡くんは「ストップ」と言って、途中で止めた。

「逆に聞くけど、莉帆ちゃんは俺のことが好き?」

「それは……」

「まだ分からないんでしょ? なら普通に俺が好きな女の子にアピールしてるだけだよ。食事を奢って、一緒に話して、自分を知ってもらおうとしている」

「でもっ……!」

凪渡くんが箸を止めて、私の顔を覗き込んだ。






「そんなに申し訳ないなら、キスしてよ。初めて会った日みたいに俺の寂しさを埋めて?」





「っ! いじわるっ!」





「そうだね。俺はいじわるだから、莉帆ちゃんも気兼ねなくいじわるして良いよ」





ほんと、凪渡くんってズルい。

そして、誤魔化すのが上手で、話を変えるのも上手。
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