凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】
凪渡くんの顔を隠す前髪を手でどかそうとした瞬間……私の手をパシッと凪渡くんが掴んだ。





「どこまでなら良いの?」




「え?」




「お願いってどこまでなら良いの?」




「それは、今から要相談っていうか……その時々でっ……!」




「ハグ? キス? 他にも何でもあるでしょ?」




「そんなお願いじゃなくて、もっと別のっ!」




「なんで? 好きな子にして欲しいことなんて、愛情表現以外ないでしょ?」




王子様はどうやらよほど寂しがり屋らしい。

何も要らない、与えるだけで良い、と言いながら……本当は愛情を求めている。



「なんて顔してるの、凪渡くん……」



目を細めて、眉を寄せて、唇を噛んでいる。

苦しそうに、苦しそうに。

寂しがり屋な王子様が欲しいのは愛情表現だけ。

「愛があれば何でも出来る」という言葉を信じるほど、王子様は愛に飢えている。

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