凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】
私は凪渡くんの前髪をどかすように、そっと凪渡くんの頭を撫でた。






「ほら、良い子。良い子」




「莉帆ちゃん。何、子供扱いしてんの?」




「子供扱いじゃないよ。これは……うん。私が()でたかっただけ」




「何それ」




「でも、安心するでしょ?」





そんな私にやり返すように、凪渡くんがクシャクシャと私の頭を撫で返した。


その時、確信した。


昼休みに寝ている私の頭を撫でたのは、凪渡くんだ。

あれは夢なんかじゃない。

だって、この手の温かさを私は知っている。

「うん、凪渡くんの手だ。昼休みといっしょ」

「莉帆ちゃん、気づいていたの?」

「ううん、今気づいた。でも、この安心する手は凪渡くんだなって」

「……それ、素で言ってるの?」

「え?」

「はぁ……そういう天然、本当は好みじゃないはずなのに。なんか莉帆ちゃんだけは別みたい」

「何言ってるの?」

「莉帆ちゃんは気づかなくて良いことでーす」

「はぁ!? ちゃんと説明してよ!」

先ほどまでのシリアスな雰囲気とは真逆のいつも通りの雰囲気。

そんな空気にすぐに戻るのが良いのか悪いのか分からないけれど、きっと私たちにはこれが合っている。
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