凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】
「うん、ちょっと待ち合わせしてて」

「そ。じゃあ、そこまで入ってけば。どうせ通り道だし」

「ありがとう!」

仁くんが傘を開くと、思ったより大きい傘だった。

良かった、これならそこまで仁くんに近づかなくても入れそう。

肩が引っ付くくらい近づいたら、仁くんも迷惑だろうし。

私は最大限距離を置きながら、傘に一緒に入る。

「ふはっ、流石に俺のこと避けすぎでしょ」

「そういうつもりじゃ……!」

「分かってるよ。まぁ、そこまで力まなくて良いってこと」

そう言って仁くんは傘を私の方に少しだけ傾けた。

口数は少ないけど、仁くんは優しいことは割と伝わりやすいと思う。

公園までのわずかな道のりをくだらない会話をしながら進んでいく。

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