凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】

お願いを一個だけ聞く

翌日、金曜日。

意外な出来事が起きた。




バイト終わりに公園に向かっても、凪渡くんがいない。




不思議に思ったが、凪渡くんだって用事の時もあるだろうとしばらく待っていた。

しかし待っても待っても来なくて、ついに三十分以上が経過して一度ベンチを立った瞬間……



「莉帆ちゃん!」



息を切らせた凪渡くんが走って公園に入ってくる。

凪渡くんはよほど慌てて来たようで、額には汗が(にじ)んでいた。

いつもの制服姿とは違って、今日は白いTシャツで腰にエプロンを巻いている。

「ごめん、まだバイト終わってなくて。すぐに戻らなきゃなんだけど……!」

「それは良いけど……」

そっか、私たちはまだ連絡先を交換していないから。
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