凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】
凪渡くんがいつものお弁当箱を取り出し、私に押し付けるように渡した。



「はい、これ。お弁当。家に帰って食べて。遅くなる前に帰った方が良いからね。いつもみたいに俺が送ること出来ないし。それとこういう時のために明日連絡先を……」



慌てている凪渡くんは心配性で、どこかいつもと違って……



「なんか過保護みたい……」



「え?」



突然呟いた私に凪渡くんが驚いた顔で言葉を止めた。

しかし、すぐに私の言いたい意味を察したようで顔を背けて、耳を赤くしている。





「うるさい、今日は慌ててるだけだから。……じゃあ、俺もう行くから」




「うん、バイト頑張って。無理しないでね」




「……素直な莉帆ちゃん嫌い。調子狂う」





キラキラな王子様が疲れた顔をしていることを知っていた。

でも、今やっと本当に毎日バイトしていることを実感した。

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