凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】
凪渡くんが固まること、五秒。





「本当に良いの? 莉帆ちゃん」




「お願いだから、仕方なくね」





そんな可愛くないことを言いながら、凪渡くんを見ていると耳まで真っ赤にして嬉しそうにしている。

なんかその顔を見たら、つからかいたくなってしまった。



「さ、凪渡くん。お家に帰りましょうね〜」



「何で嬉しそうなの、莉帆ちゃん」



「さぁ?」



「ていうか、俺の方が一個年上なんだけど」



「はいはい。ていうか、さっき凪渡くんも言っていたけど連絡先もそろそろ交換しないと不便だね」



「そういう嬉しい話題の変え方されると文句言えないんだけど」



不服そうなくせに、手を繋げて嬉しそうな凪渡くん。



うん、なんか悪くない。



とか、思っちゃったじゃん。

先ほどまで星も月も見えていなかったのに、凪渡くんと歩いているうちに少しだけ月が見え始めていた。


夜更けの道を歩く王子様とお姫様。


その距離は公園のベンチと変わらないはずなのに、何故か少しだけ近づいた気がした。
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