凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】
「あ、冷蔵庫に入れるのを忘れていたわ。ごめんなさいね、すぐに入れてくるからちょっと待っててね」

川瀬さんが立ち上がり、お皿を持ち上げた時、乗っていたおかずが見える。

「チキン南蛮……」

「ええ、そうなの。凪渡様のお弁当に入れようと思っていて」

そのチキン南蛮は、どう見ても以前食べたお弁当に入っていたものと一緒だった。

そう思ってキッチンをよく見ると、私と凪渡くんのいつものお弁当箱が二つ並んで置かれている。

それを見たら、言わずにはいられなかった。



「あの……! 実は……」



戸惑う言葉と視線のまま、私は凪渡くんとお弁当を食べているのは自分だと告げる。

「すみません、言うのが遅くなってしまって。いつも美味しいお弁当をありがとうございます」

「貴方が、凪渡坊ちゃんとお弁当を……?」

「はい……」

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