凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】
凪渡くんは「そろそろ起きるかぁ」と呟きながらベッドから起き上がり、水を飲んでいる。

「あ、そういえば莉帆ちゃん。父親は認めてないけど、母親は割と何も言ってきてないから」

「凪渡くんのお母さんって、私のお母さんと友達だったっていう?」

「そう、結局会わなくなったみたいだけど、喧嘩別れしたわけでもないみたいだよ。だから莉帆ちゃんの幼い頃も知っているし、反対はされてない感じ。まぁ、父親の派閥が親戚内でも多すぎて困ってるんだけど」

「…………」

「莉帆ちゃん? どうかした?」

「じゃあ、凪渡くんはお母さんと普通に話せているの?」

「うん、そうだけど……」

凪渡くんの返答につい嬉しくて、口角が上がってしまうのが分かった。

「良かった、凪渡くんの味方が一人でも多い方が嬉しいし」

「……最近、分かってきたけど莉帆ちゃんのそれは天然なんだもんね」

「え?」

「可愛いこと言い過ぎでしょ」

「ちがっ! 凪渡くんの敵は私の敵でもあって……!」

「はいはい、分かってますよ」

「絶対分かってないでしょ!?」

「じゃあ、俺の母親に会ってみる? 聞きたいこともあるだろうし」

「いいの……!?」

「ああ、今週末に時間空けてもらっとく」

「ありがとう!」

そんな会話をしているうちに、私はカフェのバイトに向かう時間になったので凪渡くんの部屋を出る。

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