凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】
そんなことを考えていると、後ろからバタンと扉の音がする。

「ごめん、白木。遅くなった」

「全然待ってないよ」

仁くんが安心したように目を細めたのが分かった。

「じゃあ、ケーキ屋まで案内するわ」

仁くんの隣を歩きながら、いつも通り他愛のない会話をする。

「今日は仁くんがお皿洗いだったよね?」

「おお」

「何枚だった?」

「皿の枚数を数えようとしているのなんて白木だけだから」

「そんなことないって」

「そんなことあるわ……ふはっ、ばからし」

仁くんはクスクスと笑っていたのに、何かを思い出したようにフッと表情が変わる。

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