バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
 ここで大騒ぎをしたところで無意味なことは、私もよくわかっていた。

 だからこそ思いつく限りの罵倒を口に出さずに、ぐっと堪えて涙目で睨みつける。
 彼はその視線を受けても一切動じることなく、今後の流れについて説明をした。

「俺は君に了承を得てすぐ、ヴァルツハイユへ向かうつもりだ」
「例の件ですの?」
「ああ。このままルリミカと帝国に向かったところで、用事が終わったらすぐに俺の元から離れて行ってしまうだろう。それでは、意味がないんだ」

 ダグラスは不敵な笑みを浮かべ、「早く俺を好きと言え」と強要してくる。
 そんな彼の作戦に乗るはずもなく、私は平常心を装ったまま呆れたように問いかけた。

「彼の国で何をするつもりなのかまでは知りませんけれど、やりたいことがあるなら、もったいぶらないでさっさと教えてくださる? このままでは、判断のつけようがなくてよ」
「この作戦は、ルリミカの協力が必要不可欠だ。信頼関係を構築できないない段階では、打ち明けられん」
「私を愛していると言ったのは、やはり口先だけでしたのね……」

 こちらが悲しそうに目を伏せると、彼は頭を振ったあと驚きの行動に出る。
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