バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
 妹君の称号を語る不届き者の姿を目にしたら、陛下だって怒りを抑えきれないだろう。

 ――リナリアにはあまり、いい印象はないけれど……。

 彼女だって、血を分けた姉妹なのだ。心配をするのは姉として、当然だった。
 どうやら父親も自分と同じ気持ちのようで、渋い顔でリナリアの現状を教えてくれる。

「ああ。我々もそれを危惧して、王家よりも先に身柄を拘束するつもりだったのだが……。夜会のあとから、行方不明になっているのだ」
「まさか、もう?」
「その可能性も、考慮しなければならん」

 まさか自分が意識を失っている間にそんなことになっているなど、思いもしない。
 私は妹の安否を案じながら神妙な表情で今後について語る父の姿を、じっと見つめた。

「どちらにせよ、リナリアと殿下の婚約は破棄になるだろう。このままでは再び、陛下の独断でルリミカとの結婚話が持ち上がりかねん……」
「どうして、そうなりますの!? 私に冤罪をふっかけてきた男と結婚するなんて、ありえませんわ!」
「そこで、俺の出番だ」
「ダグラス……!?」

 先程まで黙っていたはずの彼はよく通る声で言葉を発すると、お父様に交渉を始めた。
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