バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
 しかし、彼が自分に向ける愛はあまりにも重すぎる。
 ダグラスの機嫌を損ねるだけで命や貞操の危機に発展しそうな危うい精神を持つ男性を妻として生涯支えていくなど、私には無理だと思ってしまうのだ。

 ――彼を心の底から好きになれるようなハプニングがもう1つくらい起きれば、素直になれるのに……。

 そんな願望を一瞬だけいだいたが、すぐにかき消す。
 ないものねだりをした結果、再び命を落とすようなトラブルに巻き込まれては堪らない。

 このまま公爵家に居座ったところで、無理やりジェラルドと結婚させられるのがオチだ。
 一度酷い目を見ている男と結ばれるくらいなら、自分を狂愛してくれる皇子の元へ嫁いだほうが幸せになれる確率は高いだろう。

「仕方ありませんわね……」

 私は渋々ダグラスに嫁ぐことを了承し、荷造りを終えた荷物を取りに行くために自室を目指した。
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