バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
「そんな……! ダグラス様が寄付をしてくださるのは、黒の歌姫様が定期的に歌を披露してくださるからなのですよ!?」
「ここで歌い続けてほしいのでしたら、あの男をどうにかするのが先ですわ」
「お願いします!」

 だが、こちらだって一度決めたことを曲げるつもりなどなかった。
 頭を下げる男性の姿を冷たい瞳で見下したあと、妥協案を提示する。

「ねぇ、あなた」
「は、はい!」
「妹もここへ、何度か歌いに来ていましたわよね?」
「白の歌姫様ですか? ええ、まぁ……」
「あの男をどうにかできないのなら、リナリアに頼んだほうがいいかもしれませんわ」

 しかし、スタッフの顔色はよくなるどころか悪くなるばかり。
 ぶんぶんと顔を左右に振ると、矢継ぎ早に泣き叫ぶ。

「む、無理です! 白の歌姫様は、ここをオンボロ劇場だとか、歌を披露するには小さすぎると馬鹿にしてきたんです! 文句も言わずに多額の寄付をしてくださる黒の歌姫様とは、雲泥の差がありまして……!」
「少し、考えさせてくださる?」
「わ、わかりました……! いいお返事を、期待しております……!」

 私はスタッフと話を終えると、舞台衣装を脱いで地味な服装に着替えた。
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