バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
「ロバートとは、腐れ縁だな。裏切るような奴ではないから、安心してくれ」
「ご挨拶が遅れ、申し訳ございません。ドレアール公爵家の嫡男、ロバートと申します」
「私はベリアージュ公爵家の娘、ルリミカですわ」
「身分の差はない。気軽に接するよといい」

 ダグラスはそう言ってくれているが、彼が嫉妬深いのを忘れてはならない。
 友好的な関係を構築すれば、燻っていた狂気が燃え上がる可能性が高かった。

 ――原作通りの関係であれば、ロバート卿は彼に絶対服従を誓っていた。

 私から話しかけない限りは、つかず離れずのいい関係を築き上げられるはずだ。
 交流を深めるなんて選択肢は絶対に選び取らないようにしようと誓うと、作業に集中する。

「思ったよりも、ドタバタしそうだな……」
「前皇帝はこんなに早く自分が王座を退くなど、思ってもいなかったのでしょう。まったく引き継ぎがなされていない状態ですので、安定するまでは時間がかかるかと」
「公務と並行して救済の歌姫のお披露式の準備は、一旦中止とする」
「かしこまりました」

 しかし――ロバートさんと会話を続けるダグラスの口から、思いもしない単語が飛び出してきて再び手が止まる。
 私は思わず、2人の会話に割って入ってしまった。
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