バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
 オレのすべてを捧げればきっと――。もとの関係に戻れるはずだ。

「た、助けてください! このままでは、この国が滅びます!」
「偽の救済の歌姫を祭り上げた国民がどうなろうが、知ったことではない!」
「そ、そんな……!」

 オレが命を落としたルリミカに執着するように、王城から姿を消したリナリアもまた、市井で暗躍していた。

 救済の歌姫として特別な力を持って生まれた女性は、この世でたった1人だけのはずなのだが――彼女の歌を聞いた人々が獣と化し、人を襲うようになったのだ。

 ――あの女が罪のない人々を化物へと変貌させる理由は、容易に想像がつく。
 リナリアは禁呪を使い、ルリミカを復活させようとしているのだ。
 魔法の発動に必要な生贄は、国民達の命で贖うつもりなんだろう。

 姉の命を奪ってしまった罪悪感から来る行動ならばかわいげはあったが、オレの隣に並び立つためだとしたら不快でしかなかった。

 ――堕ちるところまで、落ちたな……。

 たった一度の過ちが連鎖し、悪い方向へと進んでいく。

 国民達は王家を頼ったところで自分達が助かる道はないと、リナリアを捕らえるために自警団を結成した。
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