バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
 普段の冷静沈着な姿からは想像もつかないほどにがっつく姿を目にしたら、素を出す必要はないのではと思い直す。

「その発言は、頂けませんわね。まるで、餌に植えた獣のようでしてよ」
「実際、そうなんだから仕方ないだろう」
「あら。高貴なる生まれのあなたが、お認めになりますの?」
「王族をおちょくった君には、罰を与えなければならん……」

 すっかりと悪役令嬢モードのスイッチを入れて不敵な微笑みを浮かべれば、ダグラスはムスッと口元をへの字にしたあと私の肌に触れた。

「こう言う時くらい、どうにか甘いムードを醸し出せませんの?」
「そういう雰囲気ではないほうが、緊張せずに済むだろう」

 どうやらこれも、私をリラックスさせるための一環らしい。

 確かに自分は余裕ぶっている態度を見せているが、内心では緊張していた。
 副作用を鎮めるために何度か際どい関係を続けているが、彼と1つになるのは初めてだからだ。

 しかも、相手は己を一途に愛し続けてくれた推しで――。

 そんな彼からの告白を拒み続けてきたものとしては、うまくいかなかったらどうしようと言う思いがぐるぐると回る。
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