バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
「ルリミカ」
「な、なんですの……?」

 ダグラスは触れるだけの口づけを落としたあと、うっとりと瞳を細めて耳元で囁かれた。

「優しくする。君が痛みを感じなくて済むように……」
「き、気遣いは無用ですわ! さっさと終わらせてくださる!?」
「身も蓋もないな……」

 彼は駄々を捏ねる子どもを慰めるかのように、優しく肌に触れ始める。
 耳たぶや首筋から始まり、デコルテをなぞられるだけでも、私の身体はビクンと弓なりに跳ねた。

 人生二週目に元婚約者と肌を交わした時は、痛くて苦しくて。
 カップラーメンの出来上がりを待つくらいの速度しか抱き合えなかったのに。
 その何十倍もの時間をかけて愛を囁かれて解されたら、充分すぎるくらいに身体が蕩けた。

 私達は長い時間をかけ、愛し合う。

「ルリミカ……」

 色っぽい吐息を吐き出す夫の姿を見捉えた私は、すぐにそれを後悔した。
 ダグラスが、惚れ惚れするような色気放っていたからだ。
 ようやく推しと1つになった実感が湧いてきたせいだろうか。
 心臓がドキドキと高鳴り、頬が赤らむ。

「見惚れたか?」

 しかし、この発言で台無しだ。
 私は気恥ずかしさを隠すように、強がる。
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