バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
 彼女は本音を口にするのが恥ずかしくて仕方がないと言わんばかりに両目を閉じると、勢いよく言葉を吐き出した。
 そんな姿すらも、愛おしくて仕方がない。

「あなたを求めてどうしようもなく淫らになるくらい、どうってことあるませんわ! その程度の副作用で人命を救えるのならば、私は彼らを救うために歌いましてよ!」
「君は本当に、優しいな」

 ルリミカは瑠璃色の瞳を開いて気持ちを切り替えたあと、胸元を強調するようなポーズとともに断言した。
 その言動が彼女らしいと思わず微笑めば、恥ずかしそうに提案される。

「私と一緒に、母国の危機を救ってくださる?」
「どうしようもない王族を根絶やし、俺の支配下に置いてもいいのなら」
「い、命さえ奪わなければ……。お好きになさって?」
「ありがとう」

 ホトロスなんて滅びてしまえばいいと思っていたが、最愛の妻が「どうしても己の歌で民を救いたい」と願うのならば仕方ない。

 副作用を鎮めるためには性交が必要な以上、彼女を抱く口実もできる。
 それに――国を1つ救ったと騒ぎになれば、救済の歌姫はますますその名を轟かせるだろう。

「無理だけは、するな」
「私を誰だと思っていますの?」

 瑠璃色の瞳に確かな決意を宿した妻とともに、俺達は戦地を目指した。
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